庭先に気軽に足を運べるウッドデッキ。
一息いれる、日光浴、ちょっと物を干すなど使い勝手は様々。とても便利な存在です。
我が家は所有歴5年という短い期間ではありますがその恩恵は確かに感じていて、忙しく騒ぎながら4人の育児をする日々の中で一瞬ではありますが、ふと心に余裕を与えてくれる瞬間を作ってくれます。
ウッドデッキは生活を豊かにしてくれる。
これは実体験で決して大げさに言ってるわけではありません。
個人的には小さいお子様がいる家庭では家事、育児の面においてメリットは大きいと感じています。
その一方でメンテナンスに手間やコストがかかる、腐ってくると危ないなど、長く使う上ではデメリットがあるのも事実。
デメリットを気にしてウッドデッキのある生活を諦めてしまった方、迷っている方も多いのではないでしょうか。
デメリットを極限まで減らしていいとこどりが出来る!そんな夢みたいなウッドデッキが存在します。
それがハードウッドと単管パイプを組み合わせたウッドデッキです。
この二つを組み合わせることで耐久性を飛躍的に向上しメンテナンスの手間を減らせるウッドデッキを手に入れることができます。
今回はそのウッドデッキの製作記録について綴っていきます。
DIYを検討している方の参考になれば嬉しいです。
この記事で紹介しているウッドデッキがDIY雑誌『dopa(ドゥーパ!)2022年8月号』に掲載されました!
メンテナンス性を気にするなら人工木使えばいいじゃないか。という声も聞こえてきそうですが個人的にはナチュラルな木の質感が生活の中に欲しいんです。
ウッドデッキが生活を豊かにしてくれる?どんな風に?
そんな疑問をもたれた方は↓の記事をご覧ください。
とにかくシンプルなウッドデッキの事例を見たい方はこちら
製作から5年が経過|ついにウッドデッキに限界がきた
我が家には入居2年目にDIYしたウッドデッキがありました。
これはマイホーム新築時にホームメーカーから譲り受けた余った木材と基礎に単管パイプを使用したもの。
作製から2年目と3年目に再塗装をしましたが4年目に入った頃、急に木材の腐った部分がかなり目立つようになってきて塗装をする気になれず放置。。。
そして5年目には写真の状態に。。。
使っていた木材は一般的な集成材ですが南側、屋根なしという条件で常に雨風、太陽光に晒されていたこともあり朽ちるのが早かったのではないかと感じています。
またやはりビス打ち部を起点に腐っている印象だったので雨水がビスをつたって内部へ浸透するのが主な原因ですね。
朽ちて空洞化してしまったのでさすがに危険だと感じ、作り直しを決意しました。
上の画像の通り、ビス打ちから離れている部分はまだまだ現役で活躍できる木材もありましたが、所感としては一般的な木材で製作したウッドデッキを安心して使えるのは3~4年といったところ。
長く使えるウッドデッキが欲しい
時間と労力をかけて作ったウッドデッキが5年持たずに廃棄となってしまうのは非常に残念。
ということで今度は確実に長く使えるウッドデッキにしようと決意し構造を練ります。
テーマは耐久性です。
基礎
初代ウッドデッキの基礎で使用していた単管パイプの耐久性は素晴らしく、今回も採用。
解体した時に確認しても不具合は見当たらなかったので再利用していきます。
さすが建築現場の足場などで使われているだけありますね!
唯一の欠点としては外観的に少し残念といったところでしょうか。
決してお洒落とは言えませんが引き換えに頑丈さを手に入れるのでやむを得ません。
フェンス支柱
フェンス支柱にも単管パイプを使っていきます。
外側に配置された基礎のパイプを長くしてそのままフェンス支柱とする作戦です。
こちらは強度に若干の不安はありますが感覚的にはいけそう。。。
とりあえずやってみてダメだったらまた考えればOKということにします。
DIYの良いところ(笑)
床材
床材選びは本当に悩みました。
いろいろ調べてみるとウッドデッキ材には以下のように大きく分けて4種類ある様子。
- ソフトウッド
- 防腐処理材
- ハードウッド
- 人工木
下の表は調べた結果を個人の感覚で表現しているので悪しからず…
種類 | 価格 | 耐久性 | 加工性 |
ソフトウッド | |||
防腐加工剤 | |||
ハードウッド | |||
人工木 |
それぞれ長所短所があるのですが最終的には今回のテーマである”耐久性”を重視して判断。
ハードウッドを使って製作することにしました。
選択理由とハードウッドの詳細は後述していきます。
ウッドデッキのサイズ
肝心のウッドデッキのサイズですがこの時点では大枠でしか決まっていません。
- 横幅4000㎜以下(基礎で横に使う単管パイプの全長が4000㎜だから)
- 奥行き2000㎜以下(基礎で奥行きで使う単管パイプの全長が2000㎜だから)
- フェンス高さ1200㎜程度(なんとなく)
こんな感じです。(笑)
さて、これで大まかな構想が完了。
え…もう終わり??って思う方もいらっしゃると思いますが私のDIYはいつもこんな感じです。(笑)
最低限調べて大体決まったらとりあえずやってみる。このスタイルは結構大切だと感じています。
特に私のように経験の浅い初心者であれば尚更。経験が浅ければ知見はほとんどありませんよね。
知見が少ない中でどんなに綿密に構想、計画を立てても製作を進めていく上では必ず想定外のことが起こります。
だからとにかくやってみる。やってみてダメだったら変えて再チャレンジ。この繰り返しが大切ですね。
もちろん致命的な構想の失敗は避けたいのであくまでも”最低限”調べて構想を練った上での話ですよ。
床材選び|ハードウッドの種類と特徴について調べる
さて床材にハードウッドを使うことにしましたがそもそもハードウッドとは何か?どんな種類があるのか?
購入にあたり調べてみました。
概略は以下となります。
- 名前の通り堅くて丈夫
- 耐久性は高いがその分加工しにくい
- 公共施設の建設等に採用実績あり
- 原産地、色味、加工性など種類によって特徴は様々
詳細は別記事にまとめているので是非チェックしてみて下さい。
材料購入
大まかな構想と一通りの下調べが終わったので実際に材料を購入していきます。
今回購入したいのはウッドデッキ材と単管パイプ材。
ウッドデッキ材
まずはウッドデッキ材から。
ハードウッドを始め、ウッドデッキ材などの木材の購入はネットがおすすめです。
必要な量にもよりますがホームセンター等の店頭で購入すると膨大な量の木材を自宅まで運ぶことになります。これにかかる労力は半端ではありません。
その点、ネットで購入すれば運送会社さんが自宅前まで届けてくれるのですごく楽です。
また、木材の種類が豊富なのも魅力的ですね。単純に材種が多いのもあるのですがサイズのラインナップが充実していますので必要なサイズの木材を選べるのも魅力の一つ。
私が今回お世話になったのはウッドデッキ専門店の『リーベ』さん。
とても丁寧に対応してもらえるので初めての方でも安心して購入できます。
ハードウッドはホームセンター等での扱いはほとんどありません。私が見つけたのは一部でアマゾンジャラを取り扱っていた近隣2店舗ぐらいですね。
単管パイプ材
次は単管パイプ材を購入していきます。
我が家の初代ウッドデッキで使っていたものがあるので基本的なパイプやクランプは購入しなくて済みます。
今回欲しいのはフェンスの支柱である単管パイプに木材を固定する金具。
調べてみると『単管DIYランド』さんで良さそうな金具を発見。
こんな感じでパイプと木材を固定できます。
今回私はこの金具を利用してパイプに対して並行に木材を取り付けます。
様々な金具のラインナップがあるのでこれならば単管パイプでなんでも作れそうです。
今後のDIYでもお世話になりそうな予感が…
つなぎ目全てにこういった金具を使うと少々コストがかかりそうですが使い所を絞って上手に活用できるとDIYの幅が広がりますし作品の出来栄えも変わってきそうですね。
ウッドデッキの解体
さて材料の発注ができたら届くまでの間に既存のウッドデッキを解体していきます。
本来であればビスを緩めて取り外すだけで良いのですが木材を廃棄する関係でサイズを小さくする必要がありました。
外してから一本ずつ切断していくのは面倒なので組み立てられた状態に丸ノコをいれて切断していきます。
この方法はかなり時短になりましたね。
木材や組み立て状態によってはキックバックが起こりやすい可能性があります。
床材を取り外して根太材が見えたときは愕然。
そのほとんどが腐っているような状態でした。やはり何れもネジ穴が起点となっている様子。
普段見えない部分なので気づきにくいですし、メンテナンスも行き届かない部分。
ウッドデッキの泣き所といったところでしょうか。
腐って床が落ちる前に解体に踏み切って良かったです。
ただ切断した床材を見てみるとまだまだ現役で頑張れそうなものもあります。
やはりウッドデッキはネジ部の防腐処理がポイントか…ってどうやってやるんだっていう話しなんですが。
床材だけの解体なので難しくもなく、短時間で済みますがせっかく作ったものを短期間で壊すことになるとは…少し切ない気持ちでしたね。
今回はこんな思いをしないように材料を選んだのできっと長持ちしてくれるでしょう。
基礎の作り直し|単管パイプ加工
さて解体が終わったら基礎を作り直していきます。
作り直すといっても少々変更をするだけ。
初代ウッドデッキは家とウッドデッキを出入りする際の段差をなくすために部屋の高さに合わせていたのですが、それが仇となり網戸や窓の取り外しが出来なくなっていたのです。
取り外さないと冷蔵庫、テーブル、ソファなどの大型家具の搬入ができません。
そのためウッドデッキを全体的に少し低くする必要がありました。
当初は根太材を固定するクランプの位置を下げれば良いと考えていたのですが、どうやら全体的な支柱となっている単管パイプを切断しないと低くできないことが判明。
急遽パイプカッターを購入して切断することに。
予定外の出費!これが私の甘いところですね…
単管パイプ切断
読み進めていただくと分かりますが今回2種類の方法、工具で切断しています。
- 条件付きであるもののコスパ最強の”単管パイプカッター”
- 作業効率重視の先行投資型”レシプロソー”
以上の2つの方法で切断した経験について記述していきます。
パイプカッターで切断
まずはパイプカッターです。
今回購入したのはこちら。
高儀の単管・足場パイプカッターTPC-100
使い方は至ってシンプル。
パイプにカッター部を挟んでクルクルと回転させていくだけです。適宜ハンドルを締めてカッターをパイプに食い込ませていきます。
これでパイプが簡単に切れます!!…と言いたいところですがこのパイプカッターセットの仕方か回転の仕方にコツがあるようで最初の一本を切るのに苦労しました。
パイプに対して垂直にセットしないと回転させたときにらせん状に切れ目が入ってしまいます。
しかも10本ほど切断してコツを掴んできたところでカッターの刃が欠けて使い物にならず…
刃は消耗品なので致し方ないとは思いますがもう少し耐久性が欲しい。
所感としては”コツを掴めば数本切れます”といったところです。
こんな方ににおすすめ
- 一度のDIYで数本加工するだけ
- 作業性より安全性重視
- 単管パイプの加工が初めて
レシプロソーで切断
刃が欠けてしまいましたがまだまだパイプを切断しなければいけません。
ということで作業性と将来性を考慮してレシプロソーを購入。
購入したのはマキタ AC100Vレシプロソー JR3051Tです。
はっきり言って大出費。(笑)
しかしこのレシプロソーは驚愕の切断能力を誇ります。単管パイプなんかはものの数秒で切断可能。
作業性は抜群。捗ること間違ありません。
解体屋さんが使っているスペックなので当然ですね!痛い出費でしたが購入して良かったものの一つです。
基礎の微調整
単管パイプの加工が完了したらベースの位置を調整。
初代ウッドデッキが全長4000㎜だったのですが今回は3600㎜に縮小します。
これは床材で短尺材を選択した結果ですね。
3600を割った時にちょうど良い900㎜の間隔でベースを置いて脚を立てていきます。
900㎜の根拠は初代ウッドデッキ作成時の経験則によるもの。
基礎に単管パイプを使用している時点で強度はかなりありますのでコストを下げる為にはベースの数を減らしても良かったのですが、上に乗った時にどうしても”しなり”が発生してしまいます。
この”しなり”は長期的には木材に悪い影響を与える可能性があると考え、”しなり”が極力少なくなるような間隔に設定しました。
根太組み立て
基礎の修正が完了したら根太を組み立てていきます。
根太に使用するのは”アマゾンアンジェリーナ”。サイズは幅70㎜、厚さ40㎜、長さ2100㎜。
リーベさんのみで取り扱いのあるコスパ最強のハードウッドです。
根太塗装
組み立ての前にまずは塗装ですね。
ハードウッドのナチュラルな色合いは個人的に非常に好みで出来れば塗装はしたくないのですが今回のテーマは耐久性。
根太は肝となる部分ですのでやむを得ず塗装していきます。
表に出ない部分なのでサンダー掛けなど表面処理の工程は省略。
軽く汚れを拭いて早速塗装していきます。
塗り方は至って普通。一般的な水性塗料用の刷毛で塗るだけです。
今回使った塗料はこちら。和信化学工業の”ガードラックアクア”。
これは初代ウッドデッキにも使っていた塗料で信頼できる塗料なので今回も使っていきます。
使用感については過去のDIY記事でも紹介していますのでチェックしてみてください。
根太組み立て
塗料が乾いたらいよいよ組み立てていきます。
取付方は簡単。組み立て工程は以下の通り。
根太を取り付ける位置を決めます。
根太を取り付けたい位置に垂木クランプを取り付けます。この時すべてのクランプ位置が直線上に来るようにしっかり位置出ししましょう。
一つ目のクランプを固定した後に根太を合わせる。それに沿って他のクランプの位置を決めると作業しやすいですよ。
これが垂木クランプ
こういった単管パイプのクランプはどのホームセンターでも取り扱いがあります。
単管クランプの固定にはラチェットレンチや電動ドライバーを使用します。
ソケットのサイズは17㎜です。
垂木クランプに根太材をセットし、電動ドリルで下穴を空けます。
電動ドライバーでビスを打ち込んでしっかり固定できたら完了です。
根太を張る間隔は床材の厚さによって変わってきます。
私は今回床材に20㎜の材料を選んだので約400㎜の間隔で根太材を張りました。おかげで強度には問題ありません。
600㎜の間隔ではどうだろうと試してみましたがこれだと上に乗った際に若干頼りない感じがします。
床材の厚さや樹種によって根太の間隔は調整する必要がありますね。
床材組立
さて次はいよいよ床材を組み立てていきます。
床材で使用するのは”イタウバ”。サイズは幅105㎜、厚さ20㎜、長さ1200㎜です。
これもリーベさんで一押しの品。マットグロッソ州産です。
工程の流れとしては下記の通り。
必要な工具は工程の後にまとめています。
ハードウッドは基本的に塗装は必要ないと言われていますので組み立て前の塗装はしません。紫外線による退色保護を目的に組み立て後に塗装をしていく予定です。
作業工程
床材を張る位置を決めてセットします。
もし床材が歪んで湾曲していたら凸側を上に向けて張りましょう。
凹側を上に向けると水や汚れが溜まる原因となります。
可能であればクランプで矯正しながら張れると良いですね。
ちなみに私はクランプで矯正等はしませんでした。歪んでいるものもありますがリーベさんで購入した木材は基本的に反りや歪みが少なく作業しやすいですよ。
二列目以降は写真のようにスペーサーを使って床材同士の間隔を均一に張っていきます。
今回スペーサーとして使用しているのは厚さ4㎜のL字のアングルです。
ホームセンターでスペーサーを探してさまよっている際に偶然発見、厚みがちょうど良かったので採用しました。(笑)
床材がずれないように押さえながら電動ドリルで下穴を空けます。
下穴加工には皿取錐付のドリルが便利です。
下穴加工と同時にビスの頭の部分が収まる皿取加工を行ってくれるので工程を省くことができて重宝しますね。
皿取加工をしていないとビスを打ち込んだ際に木材が割れてしまうことがあります。
綺麗なウッドデッキを手に入れるには一手間が大切です。
下穴を空けた際に出てきた木の粉を掃除機等で吸って綺麗にします。
これはやってもやらなくてもどちらでもOK。張る枚数が多いとその分木の粉も多いので作業場周辺が汚くなります。
後でまとめて掃除しても良いですが時間が掛かる割に綺麗にできません。なので少々面倒ですが1枚毎に掃除していきます。
下穴のところに掃除機をかけるだけなので数秒で終わります。
私は今回家の掃除で使っている掃除機を使いましたが専用のクリーナーがあると良いですね。
空けた下穴に電動ドライバーでビスを打っていきます。
ちなみにビスは”錐込隊長”が良いです。
締めこんでいる途中で折れてしまうことが一度もありませんでした。
あとはひたすらこの工程を繰り返すのみです。
必要な工具
電動ドリルや電動ドライバー、丸ノコ等の電動工具は電源がバッテリーではない仕様を基本的に使っています。
AC100Vのコード付きタイプのほうがコードリールさえあれば常にパワフルで充電状態も気にせず使えるので個人的には好きです。
バッテリー仕様のほうが取り回しは良いですが充電など管理が少々手間なんですよね。
単純にバッテリーの仕様は価格設定が高いので手が出ない…というのは秘密。
フェンス組立
さあ床材が張り終わったら次はフェンスを作っていきます。
フェンスに使うのも”イタウバ”。
ただし床材とはサイズを変えて幅90㎜、厚さ16㎜です。(長さは変わらず1200㎜の短尺材)
床材と全く同じサイズも考えましたが幅を変えたほうがメリハリがあって見栄えが良いかと思い幅90㎜を採用。
コスト的にも安いです。
単価の差はわずかですが数十枚発注するので馬鹿になりません。
工程は以下の通り。
必要な工具は最後にまとめています。
まずはフェンス支柱を立てる部分の床材をコの字型に加工します。
- 対象となる木材へ支柱を通す場所を決めて、加工する範囲を記す。
- 床材を一度取り外し、線状に複数丸ノコを入れる。
- 手でパキパキッと折る。
- 木工ノミで綺麗に整える。
綺麗にコの字に加工するには練習が必要です。今回私はぶっつけ本番で行いましたが裏側がささくれてしまってとても表に出せるような見た目ではなくなってしまいました。失敗したくない方は適当な木材で練習してみると良いかもしれません。
初めてでいきなりハードウッドというのもハードルが高かったかも…
基礎部分の単管パイプを利用してフェンス支柱を立てていきます。
基礎の外側の単管パイプをそのまま支柱にできる場所はパイプを長い物に交換して支柱とする。
基礎外側のパイプを利用できない場合は単管パイプ用のクランプを使って新たに支柱を立てていきます。
水平器を使って垂直になるように立てていきましょう。
クランプと支柱のベースはこちら。
クランプの固定にはナットを締め付けます。
手で締めつけるにはラチェットレンチ。電動ドライバーで締め付けるには17㎜のソケットビットを使用しましょう。
私は両方使うので17㎜のソケットをビットに変換できるビット(下図右側)を使用しています。
これは重宝しますね。
支柱となる単管パイプに板を取り付けます。
使用する板は床材で使用したイタウバ。サイズ:幅105㎜、厚さ20㎜、長さ1200㎜。
写真のように単管パイプに”サドル”とビスを使って取り付けます。
角となるパイプには専用のコーナー金具を使って板を取り付けていきます。
…とここまでは順調だったのですがある問題に直面。
それはコーナー金具の幅が広く、木材から金具が飛び出てしまうとというもの。
これは迂闊でした…飛び出ていると格好悪いしなにより危険です!……が私にはレシプロソーがあります。
木材から飛び出てしまう金具の部分をレシプロソーで切断!
なんとか事なきを得ました。
レシプロソー買っといて良かった瞬間です。
さて次は笠木を取り付けていきます。
笠木に使用するのも床材で使ったイタウバです。
まずは支柱の先端に金具を取り付けます。
六角ボルトをしっかり締め付けて固定しましょう。
次に笠木を金具の上、取り付けたい位置にセットします。
金具と笠木をビスで固定したら完了です。
さていよいよフェンス材を取り付けていきます。
- フェンス材を取り付ける位置を決める。
- 支柱に取り付けた板とフェンス材をクランプで固定する。
- ドリルで下穴を空ける(貫通しないように短いドリルを選びましょう)
- 電動ドライバーでビスを打ち込む
一番上から張っていき、2枚目以降は床材同様スペーサーを使って間隔を均一に張っていきます。
フェンス材をクランプで固定する際に一人作業では苦労しますが基本的には床材を張る工程と同じです。
必要な工具
製作していると作業スペースが狭くツールパスの確保が難しいシーンがあります。そんなときは板ラチェットがあると使い勝手が良いなと感じましたね。
塗装
さて組み立てが終わったら最後に塗装をしていきます。
先述しましたが本来ハードウッドは塗装しなくても耐久性は十分です。
しかし紫外線による退色の可能性がありますので退色防止を目的に塗装をします。
ハードウッドは退色すると綺麗なシルバーグレーになるようです。欧州などでは非常に好まれるようですが私は鮮やかな木の色が好み。ここは好み次第ということで。
フェンス支柱
ハードウッドの塗装の前にフェンス支柱となっている単管パイプをブラウンに塗装していきます。
私は木とシルバーの組み合わせが気に入っていたのですが妻の希望により急遽塗装することに。
下地処理
単管パイプにはメッキ処理がされているのでそのまま塗装しても塗料を弾いてしまって上手に塗装できません。
なのでまずは下地を作ってあげる必要があります。
今回はプライマーとして”ミッチャクロン”を使用。こちらは一般的なホームセンターで手に入るはずです。
Amazonでも購入可能ですね。
スプレータイプと液体タイプがありますが効果は同じなのでどちらでも構いません。
私は今回すでに組み付けてしまった部品に塗るのでスプレータイプは使い難いと考え、液体タイプを刷毛で塗ることにしました。
使用用途、塗る場所によって使い分けましょう。
塗り方は至ってシンプルで汎用の刷毛でムラなくパイプに塗っていくだけです。
かなり薄塗りでも十分効果を発揮しますので厚く塗らなくてOK。厚く塗ると乾燥時間も長くなってしまいます。
塗り終わったら30分~60分ほど乾燥させて完了です。
臭いがかなりきついので十分換気が出来る場所で塗装しましょう。
塗装
下地が出来たらいよいよ塗装していきます。
今回使う塗料は”アーチ水性つや消し塗料”です。
妻からは木目っぽさを要求されているのでつや消しは欠かせません。
金属に塗れる塗料でつや消しというのが数少なく探すのに苦労しました。
塗り方はこちらもシンプルで水性塗料用の刷毛で塗っていくだけ。
垂れて床材に付かないように新聞紙や紙を敷いて塗っていきます。
塗装により渋みがでてカッコよくなりました。やはり人の意見は素直に聞いておくものですね。
うっかり床材に垂らしてしまったのは秘密…
床材とフェンス材(イタウバ)
木材には”ジャラオイル”を使用します。
ウッドデッキやウッドフェンスに適した専用塗料で高級感のある赤い色味が特徴です。
オイルという商品名ですが実体は水性塗料なので気楽に取り扱いできますよ。
下地処理
まずは下地処理から。
サンダーで表面を滑らかにしていきます。
ハードウッドは堅いのでサンドペーパーは#100を使用しましたが手触りはややザラザラ。
とはいえサンダーの前後で比較するとその差は歴然。写真では伝わりずらいかもしれませが塗装前のひと手間は必要だと感じました。
ササクレやその予備軍が取り除けるので一石二鳥です。
お子さんがいる家庭では必須!
すべすべお肌のごとく滑らかにしたい!という方は#240あたりを使ってみると良いかもしれません。
ちなみに使ったサンダーはこちら。
使用感については別記事で紹介しています。
塗装
さて次はいよいよハードウッドの塗装です。
ウッドデッキ材専用塗料の”ジャラオイル”を塗っていきます。
ジャラオイルの特徴
- 商品名はオイルだが水性塗料
- 木材保護を目的とした塗装に最適
- 紫外線、劣化に強い耐性効果=退色、ササクレ防止
- 防虫、防腐効果はない
ハードウッドの塗料としては最適です。
水性塗料なので塗り方はいたってシンプル。
刷毛やローラーなどで木材に塗っていくだけです。
塗るスピードとしてはローラーが早いですね。
塗料の粘度は低く、水のようにサラサラしています。
伸びはよく塗りやすいですが油断するとすぐに垂れてしまうので気を付けましょう。
木材に膜を張るタイプような塗料ではなく、浸透するタイプの塗料です。
塗った後も木肌に触れられるので天然木の良さを生かすことができます。
また、色味は想像以上に赤いので少しびっくりするかもしれませんが時間と共に馴染むのか、色が落ち着いてきて良い雰囲気になります。
素材そのままのナチュラルな色も良いですが赤い高級感のある色もまたgood。
自分でアレンジできるのがDIYの良いところですね。
今後は色の変化を楽しみながら定期的に塗っていきます。
缶の開口部が狭いので専用の容器に移すと使いやすいですよ。
専用容器へ注ぐ際はこぼれないように注意しましょう。
私はダメ元でやってみたらやはりこぼれてしまいました‥この手の缶から上手く注ぐ方法を知っている方は教えてください。
ステップ組立
材料が余ったのでウッドデッキの入り口にステップを作っていきます。
当初は作る予定はなく、余り物での製作の為完成度は低め。ご容赦ください。
2段のステップを作っていきます。
工程は以下の通り。
まずはウッドデッキの基礎へパイプをクランプで固定して横出しし、そこにベースで立てた短いパイプを更にクランプで固定します。
あとは先端に金具を取り付けるだけ。
後に金具は一旦外すので仮止めでOKです。
金具はフェンス笠木で使用したものと同じです。
この工程では単管パイプを一度仮組、必要な長さを確認してパイプを切断していきます。
必要なパイプの長さを計算できれば良いですが私はこちらのやり方のほうが現物を見て考えられるので精度が良いです。
要は現物合わせですね。
今回余った木材はフェンス材でした。
これは厚さ16㎜なので強度不足…なので2枚重ねて使うことに。
フェンス材を2枚揃えて重ねてクランプで固定します。
あとは適当な位置に下穴加工してビスを打って踏板完成です。
作った基礎に踏板を組み付けていきます。
組付けたい位置を決めて金具の上に踏み台を置き、印をつける。
一旦金具を取り外して踏板にビスで固定します。
あとは金具と踏板のセットをパイプに固定して完成。
金具は六角ボルトで締め付けてしっかり固定しましょう。
本来なら幕板も張りたいところですが今回はこれで良しとします。
余り物で作ったにしては上出来でしょう。。。
ウッドデッキ完成|まとめ
ここまできてようやく完成です。
今回は『耐久性』をテーマにハードウッドと単管パイプを組み合わせたウッドデッキを作成しました。
お洒落さや機能性など追求したらキリがありませんが一つの事例として参考にしてもらえたら嬉しいです。
今後はメンテナンスや経過など適宜追記していきます。
まとめ
製作期間は約3か月。材料の選定、構想期間などを含めると4カ月という長期製作となりました。
休日のみでの作業なので思うようには進みませんでしたがやり切った達成感は半端ではありません。
時間と労力はかかりますが自分で考えたものが形になるというものはとてもやりがいを感じますし出来ていく過程を家族で共有し意見を取り込めるのもDIYの良いところ。
そうして出来たものってホントに世界に一つしかないんですよね。
作ったものを家族で使って笑顔になってくれてる瞬間は何にも代えがたい宝物です。
苦労して作った甲斐がありました。
あなたも世界で唯一のウッドデッキを作ってみませんか?
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